農業から考える「農的な暮らし」について


農的な暮らしのおさらい

前回のブログでは「農的な暮らし」について取り上げました(詳しくはこちらをご覧ください!)。農的な暮らしとは、自然や身近な人のつながりを忘れずに思いやりをもった生き方です。今回は現代の農業に至るまでの歴史を振り返りながら、私たちPerma Futureが追求する「農的な暮らし」をEARTH MINDに使われている農薬・化学肥料不使用(栽培期間中)の茶葉を生産しているエコビレッジの視点から考えていこうと思います!



農耕の誕生と暮らしとしての農

 諸説ありますが、私たち人類が農耕を始めたのは、今から約1万5000年程前と言われております。以前は狩猟生活を送り、獲物を追いながらの生活であるため、常に移動しながらの生活を送っていました。人類は農耕を始めたことで、定住生活や食糧の備蓄を可能とし、人類が人口を増やすことも可能にしました。この変化は「農耕革命」と言われるほど人類にとって大きな変化の要因となり、現代の社会のあり方に非常に大きな影響を及ぼしました。

 農業は元々は栽培時期や栽培期間などにおいて自然の摂理に影響を受けており、自然環境との深い関わりを持っています。特に「土地の力(微生物や養分などの土壌環境)」と「水の確保」が農作物の確保に大きく作用しており、人類はいかにこの2つを確保できるかについて考えながら農業を営んでいました。

 また、近代になるまでの農業では、先祖代々の土地を守るために村落の厳しいルールの中で生産活動が行われてきました。そのため、近現代に至るまで人類は、常に自然環境が循環しうる範囲内で農業を行ってきたのです。

 つまり、誰かが勝手に過剰に土地や資源を使うことがなく持続可能な農業が行われてきました。

 

農業の資本主義化

 しかし、資本主義の台頭によってこの状況は一変してしまいます。資本主義社会の中では、営利の追求を第一に考えており、農業もその例外ではありません。その土地から最大限の収益をえるためには、大量の農薬・化学肥料を与えて生産性を高めたり、同じ土地で市場価値の高い品種を連続して栽培する(連作)を行うために土地に改良を加えるなどを行なっています(一般的に、連作を行うことは土壌にとって悪影響を及ぼします)。また、

 一方、大量生産によって各国において問題視されていた飢餓が主に先進国では解消されるようになりました。資本主義社会の進行によって大量生産・大量消費が前提となった社会となり、いい面でも悪い面でも社会に大きな影響を及ぼしているのです。

現代における「農的な暮らし」の復活!?

 

 前章で述べたように、資本主義化した現代農業は、主に先進国での飢餓問題の解決につながった一方、自然環境に多大な負荷を与えてしまっています。いい面も悪い面もありますが、環境問題が危機的状況である中ではこの問題に対処する必要があります。この問題に対処するために、私たちに求められるのは再び「農的な暮らし」の価値観に注目することだと思います。特に現代では、都市部において食における生産と消費の現場が離れてしまっており、「農的な暮らし」に触れる機会が少なくなってしまっています。「農的な暮らし」と聞くとハードルが高いように思われますが、身近な人や自然を大切にする生き方も立派なアクションの一つです!

 また、エコビレッジの暮らしぶりはまさに「農的な暮らし」を実践している最も近い例といえるでしょう!(エコビレッジについてはこちらのブログをご覧ください!)富士山の麓のエコビレッジでは地球0.8個分の暮らし(註1)を営んでおり、持続可能性や自然の循環を大切にしながら人々が生活を送っています。私たちがつくっているEARTH MINDはそんな「農的な暮らし」を実践しているエコビレッジでつくられています!

註1)小野直哉,持続可能な暮らしと生活の質の向上の両立はいかにして可能か,立教大学コミュニティ福祉学部紀要第15号(2013)を参照


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